現在、中学3年生は、憧れの志望校にどうやって入ろうか、頑張ったら合格できるだろうか、
そう考えながら必死に勉強をしていると思います。
まずは、勉強の進め方の話を、次に志望校最終決定の前に考慮すべき大学進学の話をしていきます。
★中3の2学期の受験勉強の進め方(偏差値64以下)★
2学期は、部活も無くなって、暇な時間が増えたので、
中1中2の復習をしようと思う人がいると思います。
さらに、英検、数検、漢検と手を伸ばして行く人もいるかもしれません。
頑張ろうという気持ちは評価したいですが、このような考え方はだいたい上手くいきません。
むしろ、余った時間を全て2学期の学習内容(定期テストの範囲)につぎ込むべきです。
余計な勉強に浮気することなく、定期テストという小さな目標に全力で挑んで、
すごい点数を取るべきなのです。
社会科で説明します。
千葉県の県立高校の社会の配点は、地理31点、歴史31点、公民26点です。
ここであなたは5割君(いままで定期テストは、頑張っていつも5割くらいの点数を取っていた人)と仮定します。
あなたは5割君なので、地歴で62点中31点を取っています。
あなたはここからものすごく努力をして中1中2の地歴の全範囲の復習をして、
得点を20%も増加させたと仮定します。
6点アップですね。
そしてあなたはいつものように公民もしっかり頑張り、
いつものように5割の完成度で13点を取れるようにしました。
合計で19点の上積みを成功させます。
さあ、そんなあなたですが、持てる力の全てを公民に注ぎこんだらどうなるでしょうか?
部活がなくなって増えた時間も、気力も根性も、すべて範囲の狭い公民に注ぎ込みます。
26点満点を取るのは厳しいでしょうが、満点取るつもりで努力していれば、9割は取れるでしょう。
ということで、公民で23点の上積みです。
19点より23点の方が勝ちました。
こういうイメージで考えてください。
2学期の学習事項は、理科で生物分野は遺伝、化学分野はイオン、地学分野は天体と、
どれもなかなかのボリュームです。
数学は、2次関数、相似、円、三平方と、こちらも重要事項ばかり。
国語は奥の細道に漢文、和歌など、暗記で乗り切れる分野になるので、
つぎ込んだ勉強量でいくらでも点数が上がります。
夏期講習が1,2年の範囲の復習なのは、
まずは1,2年の範囲限定で志望校のレベルに達するための学習が必要だからです。
その結果、夏の模試でそこに到達したなら、
今度は中学3年間の学習で(主に中3の学習内容で)、そこに到達することを考えなくてはいけません。
さて、2学期の勉強に全力を注ぎながらも、そろそろ受験校を決めていかなければなりません。
次に、
★志望校最終決定の前に考慮すべき大学進学の話をしていきます★
現在、大学入試は、大きく推薦にシフト中です。
早慶、MARCHなら指定校推薦がやはりいちばん楽な進学方法で、
人数も年々多くなっています。
例えば2022年度早稲田大学法学部は入学者777人中、一般共テ利用420,指定校157,付属校178、、よって一般共テ利用率(学力入試)は54%。
同様に早稲田大学政治経済学部は811人の入学者に対して一般共テ375、指定校90,付属284、その他59で一般共テ率(学力入試)は46%。一般入試入学者は5割を切って少数派です。
一般入試ばかりと思われがちな国立大学でも、
筑波大学の人文・文化学群が176人の入学者で、一般は104人、総合型11人、学校推薦56人、一般率(学力入試)は59%。
4割が推薦系です。
ということで、3年後はもっと一般率(学力入試)は下がっていると思います。
(だって、下げると各大学が公言しているので!)
そして、こんな受験状況なので、
都内の私立中受験では、上智や青学、立教などの指定校が多いミッション系の中学校が密かに人気だったりもします。
小学生の頃から大学指定校も考えて学校選びしている人たちがいる中、
何も知らずに高校入試、大学入試を一般学力入試で挑むなら、
なかなか困難な事態に立ちいたるかもしれません。
いま高校選びをするなら、公立高校であっても、
出口の状況すなわち指定校推薦の状況は確認して欲しいと思います。
また、多くの人は大学進学で奨学金を借りますが、
奨学金を借りるにも指定校推薦と同様に評定平均がものを言うので、
昔と違ってそういう時代(高校の成績がとても大切な時代)なのだという事を理解すると、
少し受験校選びの基準が変わるかもしれません。
昔は、少しでも上の高校に入って、
少しでもレベルの高い授業を受けることが、一般入試で役に立つわけですから、
それが求められたワケです。
今は、入試が推薦に変わったため、
「何が何でも少しでも上の高校へ行かなくては」という考えから
「自分が上位にいられそうな高校に進学しなくては」に多くの人は変わっています。
人それぞれではありますが、大きな傾向としてはそういうことが言えます。
東大京大等のトップの大学は、それでもまだ学力入試が多数派な訳ですから、
テレビから流れる話は学力入試の話が多いことでしょう。
しかし、そういったレベルでないほとんどの人にとっては、
大学とは年内に決まる推薦系入試で行く所です。
その合否は高1・高2・高3の1学期までに決まるのです。
高1の1学期の中間テストなんて、中3の時の学力差から無縁なわけがありません。
よって、高校入試では上位で受かるべく努力することが大切なのです。
また、高校に合格しても、
まずは1学期に良い評定が取れる事を確認するまでは、
しっかり勉強することが必要です。
実に変な話ですが、
高校入試が一段落するのは(結果が良かったのか悪かったのかが分かるのは)
高1の1学期終了時点まで延長されたと言うべきでしょう。
その代わりに大学入試は高3になる頃にはほぼ終わっているという、
そんな時代なのです。
生徒よりも保護者の方の方が、切り替えるのが難しいと思いますが、
一度、そういう視点でお子様の将来を考えてみてください。
中3の2学期の受験勉強は定期テスト対策一択でしょ!
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