我々、親世代の英語の学習方法は、まず受験勉強として単語を覚えながら英文法をやる、であった。

次に英文法の4択問題などに(英検の大問1のような)に多大な時間をかけたのに、何故か長文が読めない!

という事態になる。

そうだ、単語を覚えないからだ、と考え単語集に必死に取り組む。

 

昔の入試問題は難しい構文が多く出題されていたので、昔の受験生は構文の解読練習を行った。

これが私がいう「漢文方式」、

すなわち一,二点にレ点などの返り点をつけて、

戻って日本語の語順に並べ、そして理解するやり方である。

英語を漢文方式で読み解くためには、SVOCなどの構造を見抜く目が必要である。

 

そのようにして漢文式英文解釈で大学に合格はしても、

結果として英語は読めもしなければ聞きとれもせず、

もちろん話もできない「一流」大学生になる。

(つまり、受験の勝者になったとしても、英語が出来ないという話だ)

 

しかし、

大学に入って外国語の論文や本を読まなければならなくなり、

飛ばし読みでも多量に読む事によって読解力が伸び、

同じく大学に入ってやむなく外国人との会話しなければならなくなり、

英語でされる授業を聞かなければならないために、

(自分の専門分野のために)

結果として、聞いて話したその繰り返しで英語力がつき、

優秀な学生ならば大学生あるいは大学院生のうちに

英語はなんとかできるようになっていくのだ。

 

しかし、この手順は唯一無二の手順であるといえないだけではなく、

相当な回り道をしているのである。

英語学習について深く興味を持たなければ、

自分がやってきた通り単語やって文法やって、

残った時間で長文をがんばると言う学習法に疑問を持つ事は少ないかもしれない。

 

しかし、最近はYouTubeのおかげもあり、

一流大学に受験勉強をして入りそこから英語ができるようになっていく人より、

むしろ高校をドロップアウトして、あるいは大学に行かずに、

いきなり外国に飛び込み英語ができようになった人の、

多く発信に触れることが出来るようになった。

 

彼らは、受験勉強のつらい文法や単語集をやらずに、

正確な英語を身につけることが出来ているのだ!

つまり学校優等生でなくても、英語は出来るのだ。

 

では、そのような人たちは間違った勉強法で

たまたま英語ができるになったのだろうか?

 

もちろん違う。間違ってるのは受験勉強の方だ!

英語の勉強にはこの順序で学ばなければいけないと言う決まりはない。

いきなり外国に行って会話からスタートし成功しても構わないのだ。

 

さて、最近のメジャーな受験勉強・英語の学習方法では、

文法も構文も単語もやるわけだが、

そこに、

リピーティング・シャドーイング・オーバーラッピングなどの、

音読訓練を加えることが多い。

 

つまり、いきなりアメリカに行って会話から始めるのは勇気がいるが、

旧来の「本とノート」での学習に、リスニングと音読を加えた学習方法が、

受験生の間でも結構当たり前になっていると思う。

それは、最新の合格体験や様々な人の英語体験の発信を見ていて思うわけである。

 

しかし同時に、そのことに気づかず

音読やリスニングを学習に取り入れようと思わない、

おそらくはそのために回り道をして苦しんでいる受験生もまだまだ多いと思う。

「英語が出来ません」と言ってくる生徒の、

ほとんどがそうといってもよいだろう。

 

彼らの大半はリスニングや音読をする意味が分からない。

リスニングはリスニング対策としてやるものだと思っているのだ。

(↑オワッテル、詰んでる)

 

リスニングをしてナチュラルスピードで聞き取れる英語力(リスニング力)があれば、

リーディングのスピードも時間内で共通テストを解ききるのに十分な速さである。

当たり前だがリスニングが出来れば、

音読して自分の耳で聴きとると考えれば、そのスピードで長文が読める訳だ。

ならば共通テスト時間が足りないなどという事はなくなるのだ。

そのための練習が、英文のリスニングであり音読である。

 

「文法一本槍」とか「音読一本槍」というのはお勧めしないが、
適度に、つまり、英語学習時間の半分はリスニングと音読にするのがバランス的には良いだろうと思う。

 

中学生ならば、教科書についているQRコードを使って、リピーティングを繰り返せば良い。

新しい教科書本文は十分な量がある。

そして、文法問題を解いた後には、必ず解答を1回音読することもくせにすると良いだろう。

 

最後にリスニングと音読の目的であるが、

①漢文式読解をやめて、英文を英文の語順のまま理解できるようにすること

つまり、戻って訳し読みをしないようにすること

②その結果、長文を速く読むことが出来るようになる事。

オマケであるが、

③英単語を意味のある文章の中で覚えることによって、

気候の話題ならhumid、肌の話題ならmoistなど、自然に使い分ける事

などである