「指定校推薦で○○大学に行くから、成績上がったけど○○高校に行きます。」
といって、実力よりも偏差値がかなり下の高校に進学していった生徒に初めて出会ったのは、

もう15年以上も前のことでした。

レベルの低い高校で上位の成績をキープして、指定校推薦で進学する。
この生徒の場合は、やりたい仕事が決まっており、某医療系のその資格が取れる某大学に指定校で行けるなら、それが一番「お得」という考えでした。

あれから年月が流れ、早稲田や慶応でさえも一般学力入試の割合を下げて行きました。

例)早稲田大学政治経済学部 2022年度結果
入学者総数             811
一般+共テ利用(いわゆる学力入試) 375(46%)
指定校                90
付属・係属             287
その他                59

もちろん、早稲田でも教育学部のように一般学力試験が高い学部もあります。

早稲田大学教育学部  2022年度結果
入学者総数             966
一般+共テ利用(いわゆる学力入試) 700(72%)
★データは「大学の真の実力」(旺文社蛍雪時代)2023年度用から

指定校に限定するなら、

指定校入学者/入学者総数で抜き出すと、

法学部  157/777

商学部  191/925

文化構想 224/858

基幹理工 170/553

創造理工 158/595

先進理工 145/542

これが昨年度の実入学者数です。

さて、それで結局、指定校や総合型などの非学力入試は「お得」なのでしょうか?
特に理系学部では、指定校の生徒が入学後に苦労する(留年におびえながら頑張っている)というのは、よく聞きます。

学力が足りなかったりすることはよくあることのようです。

逆に、それだけの学力がなくても大学に入学できるわけですから、それを指して「お得」ということはできるでしょう。

それではみんなで、新しい入試の王道である指定校推薦を狙っていこう!

と単純にお勧めできるものでしょうか?

実は、指定校推薦にはミスマッチが多いという話もよく聞きます。

A大学の経済学部を志望していた生徒が、評定わずかな差で友人に指定校を持って行かれたとしましょう。

仕方ないので先生に聞くとB大学の国際経営学部の指定校ならあるといいます。

英語は苦手なので「国際」はためらいましたが、

B大学ならA大学と同じ学校群(MARCHとか日東駒専とかの事)なので、

B大学の指定校をもらうことにしました。

こんな話が普通にあるんです。おかしいでしょう?


このようにして進学してから、やっぱり国際経営学部はちょっとやりたいことと違う!

といって行かなくなってしまう、

ということも指定校だとまあまあありうる話です。

それでも文系ならまあ卒業も楽なので良いですが、

理系でミスマッチしたら学力不足もプラスしてかなり厳しいですよね。

結論として、楽して入学できたら「お得」というなら、

指定校推薦は「お得」です。

ただ、クラスメートとの関係が悪くなるなども含めて弊害も多いので、

手ばなしではお勧めはできません。

とはいえ、学力入試枠が4割になってくると、

「指定校や総合型で入った方が楽だよ」というのもまた事実です。

それでも指定校を狙うなら、ヒントです。

高大連携をうたっているところを探して下さい。

とある大学の指定校がとある高校には多くあるということは、あり得ます。

ただ地元の公立高校でレベルをワンランク下げて入ればいいというものではありませんのでご注意下さい。

「結局、指定校はすっきりしないなー」

そう思ったら、英検による大学突破を考えてみませんか!?

(英検の真実は、次回へ)